「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その7

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その1

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その2

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その3

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その4

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その5

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その6


大正時代に入り、農業は新しい時代になりました

まず、変化が起こったのは「稲作」です

冷害に負けない、病気にも強い、そして美味しい米の「奥羽132号」の誕生です

東北地方の冷害問題は改善され、稲の優れた遺伝子の研究が始まります

奥羽132号の遺伝子は、今なお「コシヒカリ」「ササニシキ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」にも受け継がれています


メンデルの法則が品種改良に応用され、遺伝子の研究が進みました

メンデルの法則が、日本で紹介されたのが、明治33(1900)年、2年後の明治35年には、札幌農学校の「星野勇三」博士が解説し研究しています

明治40年には、同校の明峯正夫教授が、「種子普及種」を発表し、日本でも育種学が誕生しました

星野博士は、大正8(1919)年に、果樹の自家不和合性に関する研究があり、りんご、ナシ、甘果桜桃を対象に研究した成果を発表されています

星野博士が、日本での園芸学、遺伝学、育種学の先達であり先駆者なのです


りんごの品種改良が、波及して実行されるのは、昭和に入ってからになります

昭和2(1927)年に、青森県立農事試験場園芸部の主任技師「須佐寅三郎」氏が赴任し、翌年からりんごの交雑試験を始めました

須佐技師の当時の品種評価によれば

「紅玉=代表品種で優良だが、生産コストが高く、ゴム病、黒点病、モニリア病に冒されやすい」

「国光=乾燥に弱い、果実に色が乗らない、春に早く味が変わる、紅国光でも鮮紅色は今一歩」


りんごの品種改良は、元々、大変難しい事なのです

読後1でも書きましたが

人工交配で種を採っても、実生(種から育てる事)では、元の品種よりも劣る事

その中から、優良個体を探すのは時間も資金もかかるし、至難なのです

それでも諦めなかった須佐技師ですが、星野博士が見込んだ優秀な人物です

須佐氏は、実は星野勇三博士のもとで園芸実習生として学び、アメリカへ渡米しカルフォルニアで園芸学を学んだ人なのです

更には、ニューヨークの植物園で育種学まで学んで、昭和2年に帰国したという経歴を持った人でした


須佐技師は、紅玉、国光を凌ぐ極上の品種を作り出すという難題に挑戦し続けます

紅玉よりも病気に強く、国光よりも色が優れた味の良い理想の品種への道が、やっと始まったのです


りんごは、交雑しないと受粉しません

一種類では、受粉しない性質を「自家不和合性」と言います

一般では、自家受粉しないとも言います

果樹全体は、この傾向が多いようです


その8につづきます

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その8

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その9

「りんごの歩んだ道」―明治から現代へ、世界の“ふじ”が生まれるまで 読後その10(終)




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種と言えば、種子法が改悪されて、日本の主要作物の種に存亡の危機が起こっている事を知っていますか


すべての日本人よ、主要農作物種子法廃止(モンサント法)に反対せよ=三橋貴明
http://www.mag2.com/p/money/169661

今の日本は、穀物の種の供給不足や価格高騰に苦しんでいるわけではありません。なのになぜ安倍政権は、いきなり「種子法廃止」という過激な規制緩和に踏み切るのでしょう。(三橋貴明)

取り返しがつかない「遺伝子組み変え作物」による汚染が起こる

「種子法」廃止へ。日本の食はどうなる


農林水産省は主要農作物種子法を「廃止する」法案を今国会に提出し3月23日に衆議院農林水産委員会が可決した。今後、参議院で審議が行われるが、同法の廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するもので、種子の供給不安、外資系企業の参入による種子の支配などの懸念が国民の間で広がっている。

法律が果たしてきた役割を議論せず、廃止ありきの政府の姿勢は問題だとして3月27日に有志が呼びかけて開いた「日本の種子(たね)を守る会」には全国から250人を超える人々が集まり、「種子の自給は農民の自立、国民の自立の問題」などの声があがったほか、議員立法で種子法に代わる法律を制定することも食と農の未来のために必要だとの意見も出た。集会の概要をもとに問題を整理する。(後略)

出典:【種子法廃止】種子の自給は農民の自立 – JAcom 農業協同組合新聞
http://www.jacom.or.jp/nousei/closeup/2017/170330-32373.php

種子法が何のために存在しているかと言えば、「種子法によって稲・麦・大豆の種子を対象として、都道府県が自ら普及すべき優良品種(奨励品種)を指定し、原種と原原種の生産、種子生産ほ場の指定、種子の審査制度などが規定される」ためです。

要するに、「日本古来の原種や原原種の優良品種を都道府県が管理し、農家に提供せよ」という話になります。日本の食糧安全保障、食糧自給、そして食の安全を考えたとき、これは「当然の規制」だと思います。

種子法の肝は、自治体などに対し、「その地域に合った作物の種」の開発・普及を義務づけている点です。すなわち、日本の食糧安全保障の肝である「種」について、単純に「ビジネス」と化すことはせず、農家に安価で優良な種を提供することを、種子法が各自治体に義務付けているのです。

同時に、種子法は「遺伝子組み換え作物」の栽培としての普及を妨げる防壁でもあります。何しろ、遺伝子組み換え作物の栽培が始まり、遺伝子組み換え作物の花粉が空中を飛び、在来種と交配してしまう危険は、誰にも防ぐことができません。

比較的、遺伝子組み換え作物の栽培に否定的なメキシコであっても、主食であるトウモロコシの「在来種」であるはずの種子から、組み換え遺伝子が発見されています。それはまぁ、空中を散布する花粉を完全に防ぐことなど、誰にもできません。

日本が種子法を廃止し、将来的に遺伝子組み換え作物の「栽培」(※バラはすでに解禁されています)を認めた場合、最終的に日本の主食である米などが、遺伝子組み換えに全て汚染されてしまうという状況を、誰が否定することができるのでしょうか。

(以下省略、続きはサイトで)



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